ヨーロッパでは2014年春から、日本2014年後半から販売が開始されたコンパクトSUV「マカン」。
マカンはプラットフォームおよびコンポーネンツの3分の1をアウディQ5と共有しています。5枚ドアと5つのシート、4WDシステムと高いシートポジションをコンセプトに高い実用性と個性を合わせ持ったスポーツカーとしてドライバーと車との一体感を追及し、レジャーやスポーツにゆとりのある空間を楽しむことが出来ます。
グレードは2.0ℓ直4ターボのマカン、3.0ℓV6ツインターボのマカンS・マカンGTS、3.6ℓV6ツインターボのマカンターボなどがあります。
そのサイズ感から女性にも人気があり、ネイビーの車体に赤のレザーシートなどバラエティに富んだカラーリングの個体も多いマカン。
そのこだわりも高額査定のポイントになります。
「一般的には不人気色だから、どうせ・・・」と思う前に、いやいや実はそのこだわりが一般的な常識を超えていく条件かもしれません。
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いまでは全ポルシェ販売の4割を占める中核モデルとなり、比較的スポーツカー比率の高い日本でも全体の3割を占める人気モデルに成長したマカン。人気のSUVであることに加え、600万円台後半スタートという価格設定、カイエンよりひとまわりコンパクトなサイズなど、ヒット要因はいくつもあるが、マカンの真の魅力はポルシェという圧倒的なブランド力などといった表面的なものではなく、その走行性能にあり、それはスポーツカーではなくSUVでもはっきりと体感できる。
走りの気持ち良さを基準にこの価格帯のSUVを選ぶならマカン一択と考える人も多い。
そんなマカンが4年を経てマイナーチェンジされた。
まず外観では、よりワイド感を強調するフロントグリルに形状が変わると同時に、ヘッドライトが4灯式LEDになった。とはいえ、マカンのイメージを変えるような大変更ではない。
それに対し、リアは「911」をはじめとする最近のポルシェ同様、左右リアコンビランプ間をガーニッシュで結び、ひと目で新型とわかる。ポルシェのアイデンティティを強くアピールするとともに、他車との識別性も高めている。
変化量という点ではインテリアのほうが大きく、特筆すべきものとしてセンターコンソールのタッチスクリーンが7インチから10.9インチに拡大された。大型化された画面により視認性と操作性は格段に向上。
また「Porsche Connect」に、「お腹がすいた」「ガソリンスタンドに行きたい」などと話しかけるだけで、ナビゲーションの目的地が設定される音声認識機能やスマートフォンアプリとの連携も強化された。
その他、従来はオプションだったブレーキアシストやアダプティブクルーズコントロール、サラウンドビュー付きパークアシストなどを標準装備化し、価格は699万円~に据え置き。
オプションで渋滞時のストップ&ゴーとステアリングアシストに対応した「トラフィックジャムアシスト」が新たに加わった。
マカンのエンジンは従来の2L直4ターボの小改良版。
WLTPへの対応など排ガスと燃費を中心とした小変更を加えている。
試乗した欧州仕様のスペックは245ps/370Nmと従来モデルより最高出力がわずかに落ちた(日本仕様は従来と同じ252psと発表されている)。一方マカンSはエンジンをポルシェ製の3L V6からアウディ開発の3L V6に換装。
こちらは354ps/480Nm(欧州仕様)と、従来比14ps/20Nmのプラスとなる。ちなみにVWグループでは開発の効率化を図るため4気筒エンジンはVW、6気筒エンジンはアウディ、水平対向エンジンと8気筒エンジンはポルシェという役割分担をすることになり、今回はそれを受けてのエンジン換装となる。
マイナーチェンジ前から高い評価を受けてきた4気筒モデルは、エンジンサウンドこそ豪快さは無いものの、雑味と表現できるような振動はほとんどなく、ポルシェであることを考慮に入れたとしても必要にして十分プラスαの動力性能をもっている。実際、0-100km/h加速はわずか6.5秒。
これだけの瞬発力があれば物足りなさを感じない。
「マカン S」のV6は、マカンの4気筒よりスムースかつパワフル。
とはいえ決して爆発的なパワー感というわけではなく、どこからでもフラットなトルクが淀みなく湧き上がる。
スポーティとかキレとか熱さとか、そういったキャラクターよりも上質な速さが前面に出ている。
相変わらず回すと痛快なポルシェサウンドを聴かせてはくれるが、マイナーチェンジ前のV6のほうがポルシェエンジンらしかったと感じる人もいると思う。
もっとも、マカンに本格スポーツカー的な走りを求める人の期待に応えるのは、より高性能な「マカン ターボ」や「GTS」の役目なのかもしれない。
マイナーチェンジを受けて、サスペンションの一部パーツをアルミ化したことによるバネ下重量の低減やスタビライザーなどの再チューニングの効果もあってか、20インチタイヤを履いていようが21インチタイヤを履いていようがそんなことはお構いなしに、鋭い衝撃が入ってもボディはびくともせずまるで何もなかったかのように入力をいなしてしまう。
ハンドリングもさることながら、驚くべき快適性の高さがマカンの魅力。マカンとPASM(可変ダンパー)の組み合わせも最高だが、マカンSとエアサスのコンビはそれをさらに超え、異次元の快適性をもつ。
それでいてハンドリングには一切の妥協がなく、ターンインからコーナー脱出までの一連の正確なコーナリングが不思議なほど簡単に決まる。ステアリングフィール・ブレーキのタッチも素晴らしいの一言。
マカンのステアリングを握れば、誰しもがカーブを曲がるという行為がこれほど楽しく気持ちのいいものだったのか再認識するはず。
【総評】
「カイエンの弟分」という位置づけだが、コンパクトな分ポルシェのもつスポーツへのこだわりが凝縮され、よりダイレクトに体感できる。
ポルシェはあくまでも「パフォーマンス」に強くこだわるブランドであり、マカンにもその哲学が色濃く反映されている。
ミドルサイズSUVになっても、ポルシェはやはり、ポルシェ。
デザイン、パフォーマンス、そして、価格。
すべてが一級品のマカンは、世界中で大流行を見せているSUV市場でその存在感に一層輝きを増し続けていくことでしょう。